2007年 09月 05日
女はみんな生きている |
「女はみんな生きている」原題chaos
コリーヌ・セロー監督(2001年仏)
原題とかけ離れた邦題が付けられた意図が良く分かります。
ちょっと「All about my mother」を思い出しました。この映画に出てくる男性は自分の地位にあぐらをかいていたり、犯罪者だったり、だらしない人ばかり。反対に女性は人生と戦い、懸命に生きている。強さだけでなく、同時にちらっと可愛らしさがのぞくところが愛しい。そこにはユーモアという余裕さえ感じさせる。
例えばエレーヌがノエミを襲った男の後を付けて頭をぶん殴って帰ってくるシーン。普通のおばさんにとってはかなり勇気のいる行動でたくましいんだけれど、「どうしよう?!」みたいなところが可愛らしい。冷静沈着なノエミが復讐の最終局面で震えが止まらなくなるシーン。いたたまれなくなる。エレーヌ、ノエミとドライブしたことが嬉しくってたまらないポールのお母さんが無邪気に波と戯れる後姿にはほっこりさせられる。
エレーヌは自分勝手な夫や息子から独立していく。ノエミは自分を売った家族、売春組織と戦う。ノエミの妹ザラも新しい自分の人生を始めようとする。エレーヌのバカ息子ファブリスに振り回されていた女の子達もしたたかに恋愛を続けていくし。(彼女達自身も相当はじけているけれど。)ポールのお母さんだって、息子命から脱却して、そんな彼女達との交流から生き生きしてきたようだし。
「女は強いんだからね!」って胸を張りたくなる映画です。
エレーヌが夫のポールと車で外出しようとした時、暴漢に襲われている女性(ノエミ)が助けを求めてくる。けれど、ポール(この人は仕事にしか関心がない)は冷たくドアをロックしてその場を走り去る。エレーヌはノエミのことが気がかりで入院している彼女を探し出し、泊り込みで献身的に介護を始める。(もう夫には愛想が尽きたという感じ)植物状態だったノエミは次第に回復していくが彼女を付け狙う不審な男達の影が絶えず、ある日連れ去られようとする。エレーヌは彼女を救い出してポールの母(ポールに冷たくされている)の元に身を寄せる。何故だか急にばりばり回復したノエミの口からは彼女の衝撃的な身の上が語られる。。。
by azura1
| 2007-09-05 21:47
| 映画